2016年2月21日日曜日



オヒョウ(ニレの樹:ニレ科)の内皮
先日、いただいたものですが、
以前にいただいた内皮より薄いです。
実際に採取時の材や加工を見た訳ではなく
私自身もこの辺り知識不足で違いが何なのか詳細は分からず…。
判明したら、また書きたいと思います。
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2/27 追記:内皮の厚さの違いについて
(実際に採取した事のある方に教えていただいた情報として)
採取した樹の太さ(樹齢)により、採取出来る内皮の厚みに違いが出る様です。
細く若い樹の方が、薄く剥がれるとの事。
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以前にも少し書きましたが
また少し、これまでに本などから得た事を書いておきます。

日本各地では、自生する科(しな)、楮(こうぞ:クワ科)
葛(くず:マメ科)、苧(カラムシ:イラクサ科)、などの
草木から取り出した繊維で糸を作り、その糸を織り上げ
衣装や装飾品として利用してきました。
アイヌのアットウシ織は、オヒョウの内皮の繊維を利用し織られています。
(シナの内皮も利用していたとの記述が有り)
本州以南でみられる、シナ(科もしくは級)の布に似ています。

糸にするまでの、大まかな行程
1. 靱皮(外皮)を剥がし、乾燥
2. 内皮を木灰で煮て、沼の水や温泉で発酵
3. 川の水でぬめりを取り乾燥
4. 水につけ柔らかくし、細く裂き乾燥
5. 撚りをかけ(もしくは機結びをして績む)糸にする

草木から取り出した繊維を糸にする行程は
亜麻なども、似た様な流れです。
簡単に書いてしまいましたが、
これらのどの行程にも沢山の時間と労力が(コツも)必要です…。

ちなみに元来日本で麻と言えば大麻を指しましたが
現在、家庭用品品質表示法で麻と表示できるのは
海外から持ち込まれたイラクサ科(苧麻、ラミー)と
亜麻科(亜麻、リネン)の2種です。

類似繊維として
バショウ科(マニラ麻)、リュウゼツラン科(サイザル麻)
シナノキ科(コウマ)、アオイ科(ケナフ、縞綱麻、ジュート)

沢山の種類が有るので、混同されてしまいがちですが
大まかには、この様に分けられるようです。

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