2016年5月13日金曜日


日々食べる物も私の創るものも暮らすところも
特別なものを作るのではない。
できるだけシンプルに。
基本通り作ってみたら
今度は少しずつ試作やアレンジしてみる。
ほんの少しずつ自分にしか分からない
車のマイナーチェンジみたいに。
自分の暮らしに合ったものを。

・・・
例えば…布を創るのも、料理するのも、
部屋をどう設えるかも、つまりは生活、暮らし方を考えること。
暮らし方を考えるって
「もの」のことだけではなくて
そこで行われる「こと」を考えて行くことだ、と。
広いとか、お洒落とか、可愛いとか
単にそういうことではないということ。
(勿論、美しさというのは前提としてあるものですが)
料理をするのも
布をつくるのも
部屋をしつらえるのも

景色を見るのも
本を読むのも
音楽を聴くのも
語り合ったり、空想に耽るのも…。

どんな暮らしをしたいか
どんな暮らしの場面でどう使いたいか
そこにどんな心地よさが生まれるかだったり。
どう暮らすか(結局はどう生きるかだったり!笑)って
全部が繋がっているんだ…と思う。

・・・
そして
自分にとって「もの」を作ることは
厳密に言うと
そのもの自体ではなく
意匠を凝らすのでもなく
そのものが漂わせる
そのものがある事によるその場の空気感
目には見えないけれど感じる、もの、何か
なのだと言う事。
そこから伝わること
感じるもの
それが何なのか...。

手を動かし
長い時間や記憶を積み重ね
丹念に続けて行く
が、緻密さの要請ではなく
その中だけからしか
感知できない
繊細なもの、真実の
精確な認識、洞察

一見なんてことのない
けど、なんだかいい
と言うのがいい。

その「なんだか」には実は沢山のものが含まれてる。
多弁にならず簡潔に。

・・・
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成功したディテールは装飾ではない
Peter Zumthor

完成は付加すべき何ものもなくなった時ではなく
除去すべき何ものもなくなった時達せられる
Antoine Marie Jean-Baptiste Roger, comte de Saint-Exupéry

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