2017年8月23日水曜日


みなさま、こんにちは。
今日は織り教室で生徒さんが制作された作品を載せます。
小さなタペストリー(I さん制作)
写真が余り上手く撮れませんでしたが、可愛いのが完成しました。
いかがでしょうか。

これは綴織(つづれおり)と、挟み織の技法を使い
ウールの糸で織ったものです。

綴れ織りは、緯糸で好きな模様を絵の様に織る事が出来る技法です。
自由に曲線も織れますが、今回は余り難しくないようにと
直線のみで花の様な模様を構成する事にしました。
大きな花模様は綴れ織りの技法で、
たて&よこ幾何学的に四角を組み合わせ、花らしさを表現できたと思います。

所々、小さくちりばめた花模様と、上と下の葉っぱをライン状に
入れた部分は、挟み織りという技法を使っています。
近くでみると、緯糸が浮いているので、立体感が出ています。
全てを綴織ではなく、挟み織りも少し入れる事で変化が楽しめます。

今回は、経糸の密度、模様のデザインなど一緒に考えアドバイスしながらも
出来る限りは自分で考えて貰う事にしました。

まず、糸の太さと経糸密度のバランスが難しい。
1cmに何本の経糸を使うか、そして糸の太さはどれ位のものを使うか。
最初に決めた経糸密度と糸の太さは上手く行かず、変更しました。

続いて、模様をグリット(方眼)用紙などに実寸で書いて考える。
自分でゼロから考えるのは難しいのですが、そこが面白いところでもあります。
幾ら自由な模様が織れるとは言え、技法の短所(特徴)も有りますので
そこをどう回避しつつバランス良く効率的に織る事ができるかも考えながら
デザインをしていきます。

緯糸は詰めて織るので、四角い柄が少しつぶれてしまうのを
考慮して織る様にとアドバイスしましたが、
これは馴れるまでなかなか簡単そうで難しい...。

それから、模様の事だけに気を取られないよう
白い無地の背景部分や両端の耳を綺麗に仕上げる事にも意識を向けつつ
織り進めます。(この点はとても綺麗に仕上がったと思います)

同じデザインでも糸の色を変えるだけで、全く雰囲気の違う作品にも
展開して行けますので、バランスの悪かったと思う部分や、織っていて
気付いた問題点を修正して、もう一度色を変え作ってみても面白いです。
難易度を上げて、曲線を使った模様にもチャレンジして欲しいです。
キリムの様な、敷物も作れます。

この織りは太い糸で織るウールのマフラーなどとは違って
コツコツ、ちまちま、じっくり進める感じなので好き嫌いが分かれますが
几帳面で研究熱心なIさんには向いているかな?と思いました。

また写真を撮ったらご紹介したいと思います。